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AYAの徒然草(92) 『言葉に宿るもの』
仕事で成果を出すことにも自分を輝かせることにもアクティブなワーキングウーマンのオンとオフの切り替え方や日ごろ感じていることなど素直に綴って行きます。また、コンサルティング会社や総合商社での秘書業務やアシスタント業務を経て身に付けたマナー、職場での円滑なコミュニケーション方法等もお話していくコーナーです。
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第 92 回 『言葉に宿るもの』
ふと、こんなことを思い出しました。高校のとき、古文の先生が授業から脱線して話していたことです。「みなさんが将来、子どもを産んで、もし、その子が女の子だったら、名前は、『サ行』から始まる名前をつけたら、きっと、より幸せになりますよ」と。
それは、たとえば「さやか」、「しおり」、「すみこ」、「せいこ」、「そのこ」、といった名前のことをいいます。サ行(さしすせそ)の音で始まる言葉は、人間の耳に入ってくるときに、よりさわやかに、心地よく入ってくる言葉(音)なんだそうです。つまり、相手がその子の名前を発するだけで、もしくは耳にするだけで、自然と、より女性らしく上品なイメージを持つ、というわけです。
しかし、なぜサ行で始まる言葉が人の耳に心地よく感じる音なのか、私は、その科学的な根拠については、そのときも今も理解していません。先生もちゃんと説明していなかったような気がします。それでも、私がその話を納得しているのは、先生が実際にサ行で始まる女の子の名前をいくつか挙げて言ったとき、それを聞いた私自身がさわやかさを感じ取ったからです。つまり、あのとき、「言葉って、その言葉の意味も大切だけど、人がその言葉を発したときの『音』や『響き』も大切なんだなぁ」と体感したことをよく覚えているんです。
そんなことを思い出していたら、私がかつて読んだ本の中にこんなことが書いてあったことも思い出しました。言葉には、「魂」が宿り霊的な力を持つ、と書いてあったのです。「声に出した言葉は、現実の世界で何らかの影響を与える」と、日本では古くから信じられているそうなのです。すなわち、良い言葉を発する人には現実でも良いことが起こり、不吉な言葉を発する人には悪いことが起こるという迷信です。
「言霊」という言葉があるくらいですから、私はこの話もすんなり納得しま
した。そういえば、昔の人は、思わず縁起の悪い言葉を発してしまったら、その後すぐに、「鶴、亀、鶴、亀・・・」と縁起の良い言葉を発してそれを打ち消していた、なんていう話も聞いたことがあります。
また、お経などの独特な抑揚も、言葉を発すると音になり、それを人が感じ取るときの心の動きに、少しは関係があるような気がします。そして、今日もしきたりとして残っているようなこと、たとえば、結婚式などのお祝いの場で、縁起の悪い言葉は絶対に発してはいけないというようなことも、きっと「言霊」の迷信に基づくものだと思うんです。
ところで、みなさんの周りに、こんな人っていませんか?不平不満ばかりを言っている人、また、いつも人の悪口ばかりを言っているような人です。そういう人って、結局は、自分の発したことが、そのまま、いや、それ以上に悪くなって自分に返ってきているような気がするんです。
たとえば、誰かのことを「殺してやりたいぐらい嫌いだ!」と思い、いつもその人の悪口を発しているような人には、現実として、さらにその人を嫌いたくなるようなイヤなことが降りかかってきているような気がします。また、些細なことなのに不平不満を言い続けている人は、状況がどんどん悪化し、その不平不満は大きくなる一方・・・なんてことになってしまっているような気がするんです。
そんな人と一緒にいても、楽しくないですよね。本人ばかりか、一緒にいる人までも不幸になってしまうような気がします。やっぱり、いつでも前向きで、明るく楽しく、そして、夢のある言葉を発している人の方が、「言霊」のパワーを使ってより豊かな人生を歩んでいるような気がします。そういう人のそばにいるだけで、自分にも良い運気を分けてもらえそうです。一緒にいるだけで幸せになれそうな予感がしますよね。
さて、みなさんはいかがでしょうか?気づけば人の悪口を言っていたり、不平不満ばかりを発していたりしませんか?言葉には「魂」が宿ると言われています。私は、「言霊」の不思議なパワーを信じてみようと思います。そして、日ごろのなにげない言葉遣いで、自分にも自分の周りにいる大切な人たちにも幸せをもたらすことができる、そんな女性になりたいです。
<佐藤 彩子>