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AYAの徒然草(83) 『ヒツジが増えると・・・どうなる???』
仕事で成果を出すことにも自分を輝かせることにもアクティブなワーキングウーマンのオンとオフの切り替え方や日ごろ感じていることなど素直に綴って行きます。また、コンサルティング会社や総合商社での秘書業務やアシスタント業務を経て身に付けたマナー、職場での円滑なコミュニケーション方法等もお話していくコーナーです。
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第83回 『ヒツジが増えると・・・どうなる???』
ヒツジはヒツジでも、動物のヒツジのことではなく、ヒツジのようにおとなしい若い男性が、最近増えているらしいのです。彼らのことを「草食系男子」と言うそうなんですが、彼らは、恋愛に対してガツガツせず淡白で、彼女を作ろうとしないそうなんです。
一昔前、いや、三昔前ぐらいに、ピンクレディーの歌で、「男はオオカミなのよ~、気~をつけなさ~い~~」という曲があったほど、かつては若い男性は、女性に隙あらばオオカミに変身するというイメージがあったと思います。それが今ではオオカミの姿はどこへ行ったことやら、終始おとなしいヒツジさんでいるとは、時代と共に男性もだいぶ変わったものだなぁとしみじみと思ってしまいました。
そんな「草食系男子」には、3 つの共通点があるそうです。「女性と友達感覚で付き合う」、「お酒を飲んでも乱れない」、「堅実な生活を送る」です。恋愛に関しては、グイグイ女性を引っ張るタイプではなく、女性と肩を並べて対等にお付き合いする、という特徴もあるそうです。
では、若い女性たちは、「草食系男子」をどう思っているのかと言えば、どうやら、不満を募らせている女性が多いとのことです。「リードしてくれない」、「頼りない」といった「男らしさ」を感じないことが主な理由だそうです。すなわち、若い女性は、「一体、『男らしさ』はどこへ行ってしまったのか?」と思っているのです。
また、「草食系男子」と対照的な女性を、「肉食系女子」と言うそうなんです。草食系男子の対照ですから、「恋愛に対してガツガツしている女性」のことを意味します。若い女性の積極的な結婚相手探しの活動を「婚活」と言い、その言葉が流行っているくらいですから、今やハンターは男性ではなく女性ということでなんしょうか?
そういえば、私は、「草食系男子」が増えているという話を聞いて、納得できることを 1 つ思い出しました。それは、今年のバレンタインのときに、「逆チョコ」と言って男性から女性にチョコレートを渡すのが流行っていた、ということです。
最近の若い女性は、バレンタインというイベントをわざわざ利用しなくたって、好意を寄せている男性に自分の気持ちをいつでも堂々と打ち明けられるのです。つまり、多くの女性にとってバレンタインとは、義理チョコを渡す意味合いが強いのです。しかし、おとなしい「草食系男子」にとっては、バレンタインというイベントは、自分の気持ちを告白できる絶好のチャンスだったのかもしれません。今年はバレンタイン用のチョコレート売り場で男性をたくさん見かけましたが、女性がたくさんいるチョコレート売り場に男性がいても全く違和感はありませんでした。彼らは、女性の中に上手く溶け込める「草食系男子」だったのかなぁと今になって思います。
ところで、そんな「草食系男子」に「男らしさ」を感じない若い女性たちですが、必ずしもみんながみんな、先ほどお話しした「肉食系女子」のように恋愛に対してガツガツしているわけでもなさそうなんです。では、肉食系ではない若い女性たちは、一体どこに「男らしさ」を求めているんでしょうか?彼女たちは、ヒツジじゃなくてオオカミを求めて、一体どこをさまよっていると思いますか?
なんと、「戦国時代の武将」に「男らしさ」を求めているそうなんです。私は、「えー!対象が、今、生きている男性じゃないのぉ???」と驚いてしまいました。戦国武将を愛する女性たちのことを「レキジョ」(「歴史好き女子」の略)と言うそうなんですが、レキジョは、戦国時代の武将に憧れ、「男気」を感じ、愛して止まないそうです。昨年ぐらいから、戦国武将をモチーフにしたグッズを販売をしているお店に若い女性客が目立つようになったそうですが、これはまさに、「レキジョ」が増えている証拠です。今年の NHK の大河ドラマ「天地人」も戦国武将の直江兼続が主人公ですから、若い女性の歴史ブームは当分続くかもしれませんね。
さて、「草食系男子」と言われる若い男性が最近増えてきているという話から、「肉食系女子」・「レキジョ」の出現まで話が広がりましたが、ちょっとここで私なりに話を整理して考えてみました。まず、「草食系男子」が増えている理由です。私は、昨今の不況の影響が大きいんじゃないのかなぁと思うのです。「明るい未来を描けなくなった」ということが「堅実さ」につながっていると思うんです。
もちろん、最近の若い女性がたくましくなっているということも要因の 1 つとしてあるとは思うんですが、それよりも、「穏やかで堅実な生活が良い」という意識は、やっぱり現在の不安定な経済の影響が大きいと思うんです。女性と付き合うと楽しいこともたくさんありますが、一方で、デート代がかかったり、束縛されて1人で自由気ままに過ごせなくなるといったデメリットがあることも否めませんよね。そう考えると、ガツガツ恋愛対象をみつけるよりも、「今、自分が楽しめる趣味や好きなことにお金や時間を費やし、穏やかに堅実に過ごしたい」と考えてもおかしくはありません。
「肉食系女子」については、先ほど、草食系男子に不満を募らせているとお話ししました。でも、私は、将来、肉食系女子にとって、草食系男子はとても大事な存在になると思うんです。彼らは近い将来、女性が社会で活躍することをバックアップしてくれそうだからです。若いうちはそれが顕著になっていないかもしれませんが、年齢を重ねキャリアを積み、将来部下を持つような立場になったときに、女性の味方をしてくれる心強い上司になってくれそうな気がするのです。
だって、草食系男子は、女性と肩を並べて対等に恋愛をすることを好むわけですから、恋愛だけじゃなくて仕事面でも「男女平等」を説きそうですよね。女性が働きやすい職場環境を自然と築いてくれそうです。つまり、「肉食系女子」は、今は草食系男子に不満があるかもしれませんが、彼らは大器晩成型なので、彼らが 30 代、40 代になったときに、その素晴らしさを実感できるのかもしれません。
最後に、草食系男子の出現から増えてきたとも言われている「レキジョ」ですが、私は密かに、「レキジョ」の出現が一番影響をもたらす対象は、「おじさんたち」じゃないかなぁと思うんです。なぜなら、今まで、「おじさん」と「若い女性」の共通の話題ってなかなかなかったと思うのですが、「レキジョ」の出現のおかげで、「歴史」という、おじさんでも十分興味を持てる共通の良い話題ができたと思うからです。
つまり、今まではおじさんたちと若い女性はなかなか接点がなく交流がもてませんでしたが、「歴史」という共通の話題によって、交流のチャンスが増えると思うんです。「歴史を語ろう会」と銘打って飲み会を企画したら、おじさんとレキジョがたくさん集まりそうです。しかも、おじさんたちは、若い男性に比べたら頼りがいがあって「男らしさ」も備わっていそうですから、一度共通の話題で打ち解ければ、レキジョから尊敬の眼差しを受けそうですよね。
というように、「ヒツジのような草食系男子がどんどん増えていくとどうなるか?」ということを、私なりに仮説を立てて考えてみたら、「おじさんたちが若い女性にモテる!」という結論になりました。やっぱり、おじさんパワーってゆるぎないものなんですね!
<佐藤 彩子>