トヨタ、新型コンパクトカー「ポルテ」。助手席に大型のス…

◆トヨタ、新型コンパクトカー「ポルテ」。助手席に大型のスライドドア

助手席側に大型の電動スライドドアを採用。1300ccと1500ccの2タイプで 138万6000円~157万5000円。スライドドアに加えて助手席を前後750mmの ロングスライド機構とすることで乗降性や荷物の出し入れを容易にした。「ポルテ」はフランス語で「扉」の意味。全長3990×全幅1690×全高1720mm

<2004年7月26日掲載記事>
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トヨタは、全国のトヨタ店ならびにトヨペット店を通じて7月26日より新型車ポルテの販売を開始した。

トヨタのプレスリリースによると、新型車は、『Smart Life Supporter』をコンセプトに、人々のライフスタイルの変化や、生活シーンを徹底的に分析し、クルマによってユーザーの生活をもっと楽しく快適にすることを目指して開発した、これまでにない革新的なパッケージが特長の新コンセプト 2BOX とのことである。

その快適性を追求した革新的なパッケージには、人も荷物も 1 つのドアから乗降・積載できる「何でもドア」(大開口ワイヤレス電動スライドドア)、スムーズな乗降・車内移動を実現する「ウォークイン・ウォークスルー」(低いフロア高と高い室内高)、「リビング感覚の自由空間」(高い室内高と長い前後席間距離)といった特徴がある。

トヨタ張社長のコメントにも「楽しく快適に使えることを徹底的に追求した」とあるように、どうやら快適というのがポルテの一つのキーワードになっているようである。

弊社が先だって実施した日本、中国、韓国の自動車ユーザー比較調査においても、日本のユーザーは自動車購入を検討する際に、車内の広さやトランクルームの広さといった項目を他の二カ国より重視する傾向にあり、自動車の快適な利用ということに主眼を置いていることがわかった。

中国や韓国では快適性よりも安全性やアフターサービスの方が重視される傾向にある。この違いには、おそらく市場の成熟度が関係しているのではないかと思われる。

日本においては自動車を運転するという行為はもはや当たり前になっていて、また、その自動車の安全性が高くそれほど故障しないということもユーザーにとってはごく普通の感覚ではないだろうか。それだけに自動車に対するユーザーの期待値は高く、自動車の快適な利用といったことが重視されるのである。

また、自動車の快適性を向上させるための取り組みは自動車メーカーだけが意識して行なえばよいわけではない。快適性向上には様々な部品レベル、コンポーネントレベルでの技術開発が必要となる。

その意味で、部品メーカーも自動車の快適性を向上させるという自動車メーカーの視点にたった部品開発が望まれる。言い方を変えれば、顧客である自動車メーカーの先に存在するユーザーのことを考えた開発である。

快適というのは日本の自動車市場においては一つのキーワードになるであろう。

<秋山 喬>