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米GM、オペルとサーブ、GM欧州の3社の経営を全面統合…
◆米GM、オペルとサーブ、GM欧州の3社の経営を全面統合する計画を公表
<2004年6月18日号掲載記事>
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GMは18日、GM欧州とドイツ子会社オペル、スウェーデン子会社サーブの計3社の経営を全面統合する計画を明らかにした。
欧州市場で新車販売が低迷する中、GMグループの意思決定を早めると同時に、二重投資の無駄を省くなど組織の効率化を推進していくことが目的と思われる。
GMによると、新車開発、生産、部品購買、マーケティング、財務、人事などの各部門を統合し、GM欧州が管理。以前から進めている販売や顧客サービス部門などの統合をさらに推進する。
これまでも3社による共同購買等によるコスト削減を進めてきたが、それをさらに経営統合により一歩推し進める形と言えるだろう。
3社を経営統合し、業務プロセスを効率化することによるコスト効果は確かに存在すると思われる。
但し、それ以上にポイントになると思われるのが意思決定の迅速化である。
通常、自動車メーカーにおける主要マーケットとして日米欧が挙げられるが単一の国家である日本と米国に比べて欧州には様々な国が含まれる。
現在はEU経済圏の形成が進んでいるものの、やはりビジネス環境には各国多様性があり政府等のステイクホルダーも多く、それゆえに意思決定の迅速さが必要とされる。
また、将来的なマーケットとして期待される中欧、東欧も欧州事業の管轄となるため重要な意思決定を迫られるケースも今後出てくるであろう。
欧州を本拠地とするVW, PSAといった欧州自動車メーカー、欧州市場において一定の成果を上げ始めたトヨタ等の日系自動車メーカーに対してGMが今後どのような意思決定を下していくかが注目される。
<秋山 喬>