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米ACデルコ、中国・上海市にクイック修理チェーン店を展…
◆米ACデルコ、中国・上海市にクイック修理チェーン店を展開へ
<2004年5月21日号掲載記事>
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アメリカの大手アフターパーツメーカーACデルコは、業務提携関係にある上海汽車銷售公司とともに、2004年下期にクイック修理チェーンを立ち上げる。
外資企業が、上海でクイック修理チェーンを展開するのは、初めての試みとのこと。
ACデルコが中国で新事業を計画している背景として、中国自動車市場の急成長と、それに伴うアフターマーケット需要の拡大を想定していることが挙げられる。
2003年の中国自動車生産台数は、約440万台、国内販売台数は430万台、そのうち乗用車は約200万台規模の市場となっているが、年々拡大を続けており、専門筋では2010年には、日本の新車市場を抜き去り、世界第2位の市場となるという予想もある。
昨今の自動車市場の急拡大を受けて、現地進出している日米欧主要自動車メーカーは販売体制、アフターサービス体制の充実にも注力しているものの、実際には後追いの状態が続いており、顧客満足度は十分とはいえない状況にある。
実際、当社がインフォプラント社と共同実施した「日・中・韓自動車ユーザー調査」で中国の自動車ユーザーに、「現在保有している車でアフターサービスが良いと思うのはどこですか」の項目でも、フォルクスワーゲン*の49%が最高であり、その他のメーカー車種は、軒並み20%台と厳しい評価を下していることからも、その一端を伺い知ることが出来る。
*(フォルクスワーゲンは、いち早く中国進出を果たし、強固な販売体制、アフターサービス体制を構築した自動車メーカーとして市場で認知されている)
また、同調査における『車の購入を考えるとき、何を重視しますか?』の項目でも中国の自動車ユーザーは購入価格70%、安全性65%、アフターサービス57%と購入後のアフターサービスのよさをかなり重視していることが分かった。
ちなみに日本、韓国の自動車ユーザーの「アフターサービスを重視する」との回答は各々、31%、62%となっているが、日本では新車ディーラーを始めとして中古車ディーラー、自動車整備工場、カー用品店などの各種アフターサービスをどこでも受けられる環境下にあり、ことさらアフターサービスの重要性を意識することが少ないのかも知れない。
中国の自動車関連インフラ整備は、大都市圏を中心に急ピッチで進んでいるが、それを上回るペースで自動車保有台数は急増を続けている。一方で都市部では渋滞も多く、運転マナーにも問題があることから、事故・故障等の自動車トラブルも急増している。余談だが、中国では交通事故死傷者が年間10万人を超えるとのこと。
ACデルコの展開するクイック修理は、これらの需要を上手く取り込むことができれば、一気に成長することも期待できよう。
その一方で、日本を代表する自動車用品チェーンの中国進出も始まっている。オートバックスセブン、イエローハットは、夫々2004年に一号店をオープンさせた。
中国沿海部の大都市を中心に事業展開を図る計画で、イエローハットでは、2008年までにFCを含め50店舗を予定しており、自動車用品販売の他、ピットを備えた店構えとすることで修理需要も取り込むことを目論んでいる。
2002年の中国の自動車保有台数は、約21百万台であるが、2010年には59百万台に拡大すると推定されている。これに伴い、当社では、中国のアフターマーケット市場の規模は、約8千億円から約2.3兆円までに成長すると予測している。
中国のアフターマーケット市場が日本(年間10兆円規模)と肩を並べるには、まだ時間がかかると想定されるものの、充分に魅力的な市場であることには間違いない。
現在、中国のアフター向け用品の主流は、「汽配城」(部品・用品市場)と呼ばれる、都市部郊外の独立系部品販売業者の集合市場や、ガレージによる独自の流通・サービス網が担っている。
その大多数は零細企業であり、資金力・信用力の不安、顧客満足・品質の低下等、問題を抱えている。
ACデルコのチェーン店舗展開のスピードにもよるが、日米企業の大手資本が中国市場でぶつかることで、アフターマーケット市場の活性化に繋がることを期待したい。
<寺澤 寧史>