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中国ビジネスの達人(12)『社内の規律、規則を如何に守らせ…
今や自動車業界にとって避けて通れないテーマの一つである中国進出。住商アビーム自動車総研のアドバイザーであり、過去 15年の中国駐在・ビジネス経験を経て現在も浙江省杭州にある日産ディーゼルの製造会社に出向中の三木辰也が、中国進出に携わる方々に対して中国ビジネスのヒントを伝授するコーナーです。
第12回 『社内の規律、規則を如何に守らせたら良いの?』
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中国人及び中国企業のカルチャーは日本のそれと異なる点が多く、先ず、その違いを理解せねばなりません。
日本の場合、就業規則、社内規律は守るのが当然、中国の場合、規則、規律があることすら知らない従業員も存在し、知っていても遅刻や就業時間内に個人的な用事を優先することに抵抗感が少ない従業員も少なくありません。
もちろん、規則違反や規律を守らない場合は最悪クビになることも知っていての行為も少なくなく、いきなり中国初めてで出向や駐在する日本人はカルチャーショックに慄くこともままあります。
クビにしたい人なら兎も角、仕事はしっかりやり、実績を上げる人が、遅刻の常習だったり、私用電話が多かったらどうしたら良いのでしょう。
営業職で仕事もできるし、実績も上げるが、どうも業務態度が良くなく、遅刻や私用電話の常習と言う人は中国には少なくないように思えます。営業は実績至上主義的な雰囲気があり、数字を上げれば良いだろうと営業能力が高い人にありがちな場合があり、クビにして、競争相手に行かれては大変なことになるし、かと言って、このままにしても置けない、重大な違反ならクビにせざるを得ないが、中国のカルチャーから言って、クビにするだけのものかどうかとの問題もあり、これらの人を如何に使いこなし、就業規則を守らせるかは日本人上司にとっては頭が痛い問題だと思います。
規則には規則で対応しましょう。 遅刻 1 回につき罰金が幾らとか、私用電話が分かるように電信局から電話料金の明細を取り寄せ、使用料プラス罰金が幾らとかと罰則を決めます。そうして、限度を決め、限度を超えればクビにできるとの規則を設けておくべきでしょう。
また、社内の雰囲気をもう一度引き締める意味でも、罰金や罰則の執行はしっかり行うべきでしょう。あとは、上司がいつも見ているんだよとのプレッシャーを感じるような振る舞いもすべきです。
それ以上に相手が上手なら、仕方がありませんが、証拠をきちんと揃え、解雇の措置を取らざるを得ません。そのままにしておくと、全体に規律、規則違反が蔓延し、取り返しがつかなくなることから、早期に手を打たなければならないでしょう。
解雇は非常に重大な問題ですが、雇用契約書や就業規則に明確に記載しておけば、その後の問題に波及しませんので、そこは明確にしておく必要があります。
<三木 辰也>