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中国フラッシュニュース(79)『中国汽車産業十一五発展企画綱要』が公表
第79回『「中国汽車産業十一五発展企画綱要」が公表』
2006年からスタートした「第 11 次国家経済発展 5 カ年計画」に合わせて、「中国汽車産業十一五発展企画綱要」もまもなく、国家発展改革員会より公表される見通しである。
消息筋によると、「中国汽車産業十一五発展企画綱要」における、当局の自動車産業への基本方針のポイントとして、「自主ブランドの育成」や「業界再編による競争力の向上」に注目が集まっている。しかし、もう一つ注目しなければならないポイントして、「民族系完成車メーカー」の位置付けを挙げたい。その概要について、以下の通り考える。
今回の内容には、「第 11 次五ヵ年計画期間中、自動車産業資本の多元化を図り、国有企業、民族企業、中外合弁企業という勢力構図の形成を目指す」とある。
これまで、当局は、民族資本の自動車産業への参入に対して、どちらかというと「抑制」のスタンスを取って来た。実際、これまでの「計画」、「綱要」では、民族資本には触れていなかった。今回、民族資本についても触れているのは、大きな進歩とも言える。
当局が、民族系完成車メーカーを奨励・育成する目的は、単なる業界全体の競争力向上だけではないだろう。むしろ、国有企業の持つ硬直化、官僚主義体質の打破にあるとも取れなくもない。
実際、既にその兆しも見受けられる。2005年末、当局は自動車産業の引き締め政策を決めた一方で、民族系メーカーである重慶力帆汽車に乗用車の生産を許可し、金華青年汽車に大型トラックの生産を許可した。こうした動きも、これと無関係とは考え難い。
その背景には、大きな目標として掲げる「自主ブランドの育成」があることは間違いないだろう。今回の綱要にも自主ブランドのシェアを 60 %以上に高めるといった目標が盛り込まれるという話しも出ている一方で、市場では依然としてそのシェアは伸び悩んでいる。こうした状況の中、民族系完成車メーカーの存在は決して無視できるものではない。
今後の中国市場において、着実に自主開発能力を向上させつつある奇瑞汽車、吉利汽車を始めとする民族系完成車メーカーの存在感は増してくるであろう。
<張 浩群>