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中国フラッシュニュース(70)『混沌とする中国の大型トラック市場』
アップダウンを繰り返しながらも、今後数年以内に日本を上回るとされる中国自動車市場。
住商アビーム自動車総研の提携先であり、中国自動車業界に精通したコンサルティング会社オートビジョン有限公司の総経理である張浩群が、中国自動車業界のホットな話題をお伝えするコーナーです。
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第70回『混沌とする中国の大型トラック市場』
海外乗用車メーカーが中国市場において順調に市場拡大を進めているのとは対照的に、大型トラックメーカーの中国進出は大きな壁に阻まれている。
ボルボの山東省における合弁事業に異変が起きたほか、東風・ルノーのプロジェクト、現代・広州汽車のプロジェクト、ダイムラークライスラーのプロジェクトなど、いずれも計画通り進んでいないのが現状である。
こうした海外大型トラックメーカーがもたついている中、一汽解放、東風、北京福田などの中国のメーカーが主役を担っているのが現状である。
更に、最近、業界の注目を集めている出来事がある。中国重汽が最近発売した HOWO8 ブランドの大型トラックは、合弁パートナーであるボルボのエンジンではなく、上海日野が生産する P11C というエンジンを搭載しているという。これにより、中国重汽とボルボの合弁事業を危ぶむ声も起きている。
中国政府の政策も中国のトラックメーカーを後押ししている。2005年、国家発展改革委員会が公表した「産業構造調整指導目録(2005年版)」では、大型トラックを「発展奨励」対象と位置づけている。
一般的に、価格が非常に高く、技術面での優位性により生まれる傲慢さが海外大型トラックメーカーの足かせとなっているといわれており、今後の事業展開のためには、大幅な戦略変更も必要と見られている。
<張 浩群>