中国フラッシュニュース(60)『GMのオアシス』

アップダウンを繰り返しながらも、今後数年以内に日本を上回るとされる中国自動車市場。

住商アビーム自動車総研の提携先であり、中国自動車業界に精通したコンサルティング会社オートビジョン有限公司の総経理である張浩群が、中国自動車業界のホットな話題をお伝えするコーナーです。

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第60回『GMのオアシス』

泥沼に陥っている GM にとって、中国は唯一のオアシスとも言える市場となっている。10月下旬、GM のワグナー会長兼 CEO が、上海政府のアドバイザーとして上海市政府主催の「顧問会議」に出席したほか、へんぴな立地の広西・柳州にある「上海 GM 五菱公司」まで足を運び、上機嫌で小型車 Spark の生産ラインを視察した。

GM と上海汽車の蜜月関係は今もなお続いている。1997年に GM と上海汽車が合弁で上海 GM を設立したが、現在この上海 GM の快進撃が続いている。GM が投入した車種は、必ずしも群を抜いているわけではないが、上海汽車の巧みなマーケティングが効を奏し、設立後わずか 8年で、中国最大の販売台数まで押し上げた。

GM と上海汽車(SAIC)との協力は多岐に渡っており、現在以下の合弁会社を設立している。

合弁企業名     設立日時  出資者      投資額

上海GM       1997.6   GM50% SAIC50%  15.2億ドル

汎亜汽車技術中心  1997.6   GM50% SAIC50%  5,000万ドル

上汽GM五菱汽車   2002.6   GM50.1% SAIC34% 9,960万ドル
柳州五菱15.9%

上汽GM北盛汽車   2004.3   GM25% SAIC25%  2.3億ドル
上海GM50%

上汽GM東岳汽車   2003.2   GM25% SAIC25%  9億人民元
上海GM50%

上汽GM東岳     2004.6   GM25% SAIC25%  1億ドル
パワートレイン        上海GM50%

上海汽車GM汽車   2004.8   GMFC60%     5億人民元
金融公司           上海汽車財務公司40%

GM の好調な中国事業は、GM の米国本体を助けるには及ばないものの、GM にとって重要性が増すのは間違いない。

<張 浩群>