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中国フラッシュニュース(52)『自動車金融市場で先行するGMAC-SAIC自動車金融公司』
アップダウンを繰り返しながらも、今後数年以内に日本を上回るとされる中国自動車市場。
住商アビーム自動車総研の提携先であり、中国自動車業界に精通したコンサルティング会社オートビジョン有限公司の総経理である張浩群が、中国自動車業界のホットな話題をお伝えするコーナーです。
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第52回『自動車金融市場で先行するGMAC-SAIC自動車金融公司』
GM の完全子会社で世界有数の金融サービス企業である GMAC と、中国最大手の金融企業であり上海汽車工業総公司 (SAIC) の子会社である上海汽車グループ金融公司 (SAICFC) の合弁会社である、GMAC-SAIC 自動車金融公司(GMAC-SAIC)は、2005年上半期の売り上げが 16 億元を超え、かつ不良債権ゼロの記録を保っており、同業他社から羨望の目で見られている。
2003年公表された「自動車金融公司管理弁法」では、外資による自動車金融企業の設立を認めたものの、会社登録地以外の地域においては業務展開を禁止するなど、厳しい制限策も設けられていた。
その厳しい規制策に対抗して、巧みな方策を考え出したのがGMAC-SAICである。
GMAC-SAIC は、会社登録地を上海に設けているものの、上海以外の 20 あまりの都市に約 70 名の「業務代表」を派遣し、合計 180 社以上の販売会社と「協力関係」を築き、業務を急拡大させている。
GMAC-SAIC の動きに不満を抱きながらも、有効な対抗策を打ち出せないのが商業銀行である。自動車ブームが起きた 2002-2004年の間に、一斉に自動車ローンに参入したものの、ノウハウが不足していたため、あっという間に 1000 億元あまりの「不良債権の山」を築き、中央銀行、銀行監理委員会から「業務停止」の処分を受ける結果となってしまった。
これらの商業銀行は不良債権の処理を進めながら、自動車金融への再参入の機会を窺っている。しかし、商業銀行は自動車販売網との繋がりが GMAC-SAICよりはるかに弱く、新たな手法を見出せていないのが現状である。
その意味では、中国の自動車金融市場は、外資自動車メーカー系のノンバンクにリードされながら、第二幕に入りつつある状態ということができる。
<張 浩群>