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中国フラッシュニュース(38)『東風汽車の課題は「ポスト苗」<続編>』
アップダウンを繰り返しながらも、今後数年以内に日本を上回るとされる中国自動車市場。
住商アビーム自動車総研の提携先であり、中国自動車業界に精通したコンサルティング会社オートビジョン有限公司の総経理である張浩群が、中国自動車業界のホットな話題をお伝えするコーナーです。
第38回『東風汽車の課題は「ポスト苗」<続編>』
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先週執筆した中国三大自動車集団の一角である東風汽車の苗総経理の去就問題の続報について紹介する。
5月 20日、苗氏の新任先がついに公表となった。「湖北省党委員会常務委員兼武漢市第一書記長」というのがそのタイトルである。中国流で言えば、「次官クラス」に昇格したことになる。
湖北省党第一書記長である愉正声氏は、建設大臣からの転任で、地方政府のトップでありながら、共産党の中央政治局委員に抜擢されており、上海、北京などの直轄市のトップに肩を並べる実力者である。愉氏は日頃より苗氏を高く評価していると言われ、苗氏を国有企業から「抜擢」し、湖北省の省都である武漢市のトップに据えるという今回の人事にも、中央政府が武漢市の自動車産業に強く期待していることが表れたものであろう。
先週、苗氏は東風汽車総経理の立場での最後の大仕事として、日本へ出張した。訪問先は日本であったが、最大の目的は、仏ルノーの中国現地生産の立地決定のための協議であると言われている。
武漢市には、東風日産のほか、神龍汽車(東風汽車と仏 PSA の合弁会社)、東風本田が既に生産拠点を設けているが、目下、最大のテーマは、仏ルノーの現地生産拠点の誘致である。
同社の現地生産拠点の立地選定をめぐり、広東省(広州、深セン)と湖北省との間で、激しい争奪戦が繰り広げられてきた。湖北省にとって、仏ルノーを誘致することは、武漢市の自動車産業を更に活性化させるだけではなく、過去失敗したルノー三江プロジェクトの汚名返上という意味合いもあり、最重要課題となっている。
今後、仏ルノーの立地選定に関しては、もう一人のキーマンから目を離せない。勿論、カルロス ゴーン氏である。仏ルノー・日産両社の CEO を兼務するゴーン氏が、今後、中国における日産・ルノー連合の関係をどうしてくか、同氏の手綱さばきに注目が集まる。
<張 浩群>