中国フラッシュニュース(11)『中国中古車流通政策につい…

アップダウンを繰り返しながらも、今後数年以内に日本を上回るとされる中国自動車市場。

住商アビーム自動車総研の提携先であり、中国自動車業界に精通したコンサルティング会社オートビジョン有限公司の総経理である張浩群が、中国自動車業界のホットな話題をお伝えするコーナーです。

第11回『中国中古車流通政策について』

~ 商務省が「中古車流通管理弁法」(意見徴収稿)を公表 ~
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今年 6月に中国政府が発表、即日施行した「汽車産業発展政策(自動車産業発展政策)」は記憶に新しいところだと思うが、これを受けて、貿易・流通関連の主管官庁である商務省が、「中古車流通管理弁法」(意見徴収稿)を発表した。最終版の発表・施行は、2004年末になると見られている。

「中古車流通管理弁法」には以下のポイントがある。

1.中古車分野における各種業態
中古車分野において、その業態は、中古車経営公司、仲介公司、オークション公司、鑑定機構の 4 つに分類される。

(1)中古車経営公司
直接、中古車の購入(下取り、仕入れ)と販売を行う企業を指す。

(2)仲介公司
中古車の交易を仲介し、手数料を得る企業を指す。

(3)オークション公司
オークションを通じ、中古車を最高入札者へ譲渡する企業を指す。

(4)鑑定機構
中古車の品質、残存価値を鑑定する企業を指す。

2.中古車分野における各業態の適格要件
(1)中古車経営公司
– 法人企業であること。
– 所在都市の開発・規定に合致すること。
– 固定の経営場所を有すること。
– 顧客に鑑定、名義書換、保険、納税など手続きのサービスを提供すること。

(2)仲介公司
– 工商行政当局に登録済みの「仲介資格者」を 5 人以上を擁すること。
– 顧客に鑑定、名義書換、保険、納税など手続きのサービスを提供すること。

(3)オークション公司
– 「オークション法」の規定に合致すること。
– 固定の経営場所を有すること。

(4)鑑定機構
– 固定の経営場所を有すること。
– 労働・社会保障行政機関が認定する「鑑定評価師」を 3 人、「高級鑑定評価師」を 1 人以上擁すること。
– 独立機関であること。

3.外資について
上記の条件を満たすことに加え、「外商投資商業領域管理弁法」に合致しなければならない。
免許申請は、省・直轄市・計画単列都市(日本の政令指定都市に相当)の行政担当機関に申請し、初歩的な審査を通過後、国務院商務担当行政機関(主に商務省を指すと思われる)に許可を申請する。
この国務院商務担当行政機関が許可した場合、「外資投資企業批准証書」が交付される。

<張 浩群からのコメント>
(1)現段階ではあくまで「意見徴収稿」であり、「中古車流通管理弁法」が正式に発表・施行されるまでには、今後も相当紆余曲折があるのではないかと考える。
特に公安当局(車両盗難の取締りを担当)、工商管理当局(偽造車の取締りを担当)からも、期間などについて、強い抵抗が出るのではないだろうか。

(2)「中古車流通管理弁法」が今回の「意見徴収稿」の内容から大幅な変更なく、発表・施行される場合、これまで予想されていた以上に、独立した「中古車業者」が誕生し、中国の国内中古車市場の構造が、一気に変化する可能性を秘めている。

<張 浩群>