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勝手にホームページ診断 (10) 『勝手にホームページ・オブ・ザ・イヤー』
自動車の販売・マーケティング活動におけるホームページの重要性は今後、更に高まっていくことが予想されます。
SE のキャリアを経て、現在は自動車好きの中小企業診断士、Web コンサルタントとして活躍する遠藤康浩が、その商品の持つ特徴や魅力が適切に消費者にコミュニケーションされているか、という視点から車種別のホームページを診断していくコーナーです。
【筆者紹介】
中小企業診断士。住商アビーム自動車総合研究所アドバイザー。(株)NTT-ATテクノコミュニケーションズでSEとして勤務後、経営コンサルタントとして独立開業。現在、中小企業向けホームページのコンサルティングを中心に活動。
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第10回 『勝手にホームページ・オブ・ザ・イヤー』
今回は今年最後ということで、今年取り上げたホームページを振り返り、「勝手にホームページ・オブ・ザ・イヤー」として、勝手に表彰したいと思います。もちろん、賞品や賞金はありませんが・・・
【今年取り上げたホームページ】
第1回 レクサス LS600h/LS600hL
http://lexus.jp/models/ls600h/index.html
第2回 日産 デュアリス
http://www2.nissan.co.jp/DUALIS/J10/0705/index.html
第3回 トヨタ ヴォクシー・ノア
ヴォクシー http://toyota.jp/voxy/
ノア http://toyota.jp/noah/
第4回 マツダ デミオ
http://www.demio.mazda.co.jp/
第5回 日産 エクストレイル
http://www2.nissan.co.jp/X-TRAIL/T31/0708/index.html
第6回 輸入車のホームページ(1)
BMW http://www.bmw.co.jp/jp/ja/index_highend.html
ヒュンダイ http://www.hyundai-motor.co.jp/
第7回 輸入車のホームページ(2)
メルセデス・ベンツ http://www.mercedes-benz.co.jp/
フォルクスワーゲン http://www.volkswagen.co.jp/index2.html
第8回 輸入車のホームページ(3)
プジョー・ジャポン http://www.peugeot.co.jp/index.html
フォルクスワーゲン http://www.volkswagen.co.jp/index2.html
フィアット http://www.fiat-auto.co.jp/
ボルボ http://www.volvocars.co.jp/
第9回 日産 GT-R
http://www2.nissan.co.jp/GT-R/R35/0710/index.html
※取り上げた当時とデザインやコンテンツが変わっている場合があります。
選考基準は、取り上げた時点のホームページを対象にしています。
【発表!!「勝手にホームページ・オブ・ザ・イヤー」】
今年の「勝手にホームページ・オブ・ザ・イヤー」は・・・・
マツダ デミオで決まりです!! http://www.demio.mazda.co.jp/
受賞のポイントは以下の通りです。
1:トップページに必要な情報へのアクセスがすべて整っている
以前にも指摘したことですが、デミオのホームページの秀逸な点は、トップページに閲覧者が必要としている情報がすべて盛り込まれているところです。特に Flash を使ったトップページの場合、デザインに凝りすぎて操作性を犠牲にしているページが多くありますが、デミオの場合は、画面の中で U 字状に必要なコンテンツを並べており、デザイン性と操作性を両立している点が素晴らしいです。
2:TVCMとのイメージの一貫性
多くのクルマの CM で芸能人が起用されていますが、ホームページにはその芸能人が掲載されていないケースが多くあります。
芸能人を起用するということは、そのクルマのイメージを起用した芸能人に体現してもらっているわけですが、にも関わらず (おそらくは予算上の都合と考えられますが) ホームページにはまったく出てこないなんてケースもあります。ホームページも TVCM もプロモーション手段の一つです。それぞれが単体で動いてしまっては、イメージの一貫性がなくなり、相乗効果が発揮できません。ひどいホームページになると、TVCM で使っている色と別の色のクルマがトップページを飾っているところもあります。
デミオのホームページは、玉木宏さんを前面にだしており、TVCM との一貫性が高いと言えるでしょう。これであれば、消費者は TVCM の延長線上でホームページを閲覧することができます。
【当たり前を当たり前に】
そして、輸入車部門賞は
プジョー・ジャポン http://www.peugeot.co.jp/index.htmlです。
デミオもプジョーも、閲覧者の視点に立って考えられたホームページであるということができます。閲覧者が知りたいであろうコンテンツを、見やすく、バランスよく配置しているトップページの使い方はまさにお手本といってもいいでしょう。
デミオであれば、若い女性がターゲットであり、最初の新車として買う人も多いと思われます。であれば、ローンの案内や、試乗の申し込みを手軽にできるようにしておくのは当たり前です。
プジョーの場合、輸入車を買うことに対する不安感を憶える人が多くいると想定されます。そのため、アフターメンテナンスやディーラーの場所に興味を示す人が多いはずです。ですのでそれらのコンテンツへの誘導を考えるべきです。他の輸入車メーカーに比べ、きちっと日本語化している点も当たり前ではありますが、しっかりやっています。
反対に、中身はとても良かったのに受賞に至らなかったのは、
日産 デュアリス(http://www2.nissan.co.jp/DUALIS/J10/0705/index.html)
です。
受賞に至らなかった最大の要因は、トップページを開いた時に流れる「音」です。
今、音が鳴っていいのか、まずいのか、は見ている人の状況によります。それを否応なしに音が鳴り響くというのは、閲覧者の立場に立っているとは言えません。厳しく言えばクリエイターの自己満足です。私は静かな喫茶店で、このページを開いて気まずい思いをしました。
閲覧者がどんな人でどんなシチュエーションで見るのかという想像をふくらませて、それに沿ったホームページ作りをしないと、思わぬ不快感や不便を閲覧者に強いることになるのです。
受賞したデミオは、当たり前のことをきちんとやっています。特に奇抜なことをやっているわけではありません。しかし、私は一年間、様々なクルマのホームページを見てきましたが、当たり前のことを当たり前にできていないホームページが多いのも事実です。
どんな人がどんなニーズをもって、どんなシチュエーションで閲覧するのか、マーケティングの基本ではありますが、そこに気を配るだけで、劇的に良くなるホームページはたくさんあります。
「当たり前を当たり前に」まさに当たり前ですが、いいホームページの条件はそこにあるのです。
<遠藤 康浩>