広島銀行、「自動車関連対策室」開設後3年、地元企業支援…

◆広島銀行、「自動車関連対策室」開設後3年、地元企業支援が一定の成果
<2004年03月15日号掲載記事>
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広島銀行が「自動車関連対策室」を通じて行ってきた地元産業支援について紹介している記事である。同行では広島地区の就業人口の4分の1が自動車関連であることを考慮して専門チームを結成。銀行としての専門的な視野から財務分析を行い、稼働率の低い設備や不良資産のスリム化を図れるようにアドバイスしているいう。また、特に重点的に注力しているのは「受注拡大」と「コスト削減」とのことで、既に九州地区のトヨタや日産との取引を実現した事例があるとのこと。
実は同じ話が日本全体でも言える。
自動車関連就業人口は、日本国の全就業人口6,480万人のうち、実に726万人と11.2%を占め、全産業の中で最大規模の役割を果たしている。
社会におけるお金及び価値創造の流れを最大限単純化すると、以下の通りとなるが、このうちここで言う「就業人口」は「(3)産業」部分に関わる個人の数、及び正に「(1)個人」の属性を表す比率といってもよいだろう。
(1)個人          ⇔11%が自動車関連
<預金>  ↓
(2)銀行(金融機関)     ⇔?
<融資>  ↓
(3)産業(R&D、製造、流通)  ⇔11%が自動車関連
<価値提供> ↓
(1)個人          ⇔11%が自動車関連
(縦軸がお金・価値創造の流れ)
当たり前の話だが、世の中に価値を提供しようとする者は、先ずは市場環境を分析し、そこでの潜在ニーズを見出し、そのニーズに対して何らかのリソースを提供することで需要と供給をマッチさせる。
これが経済活動の基本。
個人からの預金獲得(仕入)と産業への資金供給・融資(販売)をコアビジネスとする銀行は上の図の(2)に位置するが、仕入と販売両面 を自動車関連が11%も占めるにも関わらず、これまで自動車にそこまで注力してきていない、というのが現状であろう。
(しかも、所謂太平洋沿岸の主要都市では、記事にある広島地域の25%には至らないにせよ、11%を上回る相当な比率の就業人口が自動車関連と想像される)。
全方位でビジネスを展開している銀行全てに、自動車専門の対策室を設けよと言っても効率性、費用対効果と(業界に明るい)人材面 から見て非現実的だと思うが、上の流れと自動車関連就業人口の比率を考えると、銀行や金融機関が何らかの形で自動車関連業界に踏み込んだ対応を取ることに合理性はあると思われる。
また、業界の革新、活性化を実現していく上で業界内部の経営や業務プロセスの革新だけでは足りず、銀行など金融機関からの資金リソース注入やFTソリューションが必要とされる場面は多い。
(半分宣伝になってしまうが)住商アビームには、自動車関連企業へのソリューション営業をお考えの金融機関から、自動車関連顧客への共同でのソリューション提供などのご相談を頂いている。
また、昨今は様々な資金供給(調達)手法が存在するが、実は直接金融を用いた形の、正に投資ファンドやVCから同様の相談を頂くことも結構多い。そちらは、シンプルな事業アセスメントや投融資エントリー時のスクリーニングのご利用、エグジットにまつわるご相談等である。
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<長谷川 博史>