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東日カーライフグループ(旧 東京日産販売)、中古車相場情…
◆東日カーライフグループ(旧 東京日産販売)、中古車相場情報を共有
系列買い取り店が独自に判断していた査定基準を一元管理し、業務を効率化
<2004年05月27日号掲載記事>
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東日カーライフグループは、旧東京日産自動車販売が今年4月に日産ディーラー事業を分離した新生東京日産を設立し、持ち株会社制に移行して社名を現在の名称に変更した、国内屈指の自動車ディーラー(東証1部上場企業)である。
今回のニュースは、同グループが中古車のユーザーから車を買い取る際の価格(買取価格)を、新設する情報拠点プライスセンターで一元管理し、「オークションの取引情報などを元に市場相場に連動させる」ことを報じている。
一般的に買取専門店(車を買い取ることを専門に業として行う店)は個人から車を買い取って、これをだいたい2週間以内にオークションで売却する。よって、買い取る価格はオークションの相場をベースに一定のマージンを差し引いて計算する。
しかし、東日カーライフグループでは以下の通り買取専門店とは異なり、自社販売拠点をベースにした販売力を有するグループである。
1.新車販売
ホールディング傘下の東京日産自動車販売が有する営業拠点49店を核に、グループ全体の新車販売台数は29千台を数える。
2.中古車販売
同じく傘下に位置するカーネット車楽が有する30店の営業拠点をベースに、グループ中古車販売台数は30千台に達する。
即ち、通常の中古車バリューチェーンにおいて、買取専門店が以下構図の(1)→(2)→(3)の流れの中のみで勝負しているところを、東日カーライフの場合は複数店舗での小売パワーを用いて、(1)→(4)→(5)*へと繋げることが可能なはずである
(事実、既に一部行っているものと想像する)。
通常の中古車バリューチェーン
個人→業者→オークション→小売業者→個人
(1) (2) (3) (4) (5)
*但し、車によってそのまま小売に向くものもあれば、やはりオークション経由で売却しないと在庫と化してしまうようなものもある為、(3)のオークションの活用をゼロとすることがなかなか難しいのも現実である。
更に、自社の強みの源泉でもあるが、日産の看板を掲げながら販売を行っている店舗であれば、顧客に対する自然なシグナリングとして「日産については安心」というイメージを発信している(専業店などとの相対的な話)。即ち、理論的には日産車あれば、ホンダディーラーよりも中古車専業店よりも販売力は上であるはずであり、結果、個人からは競合他社よりも高く買えるはずである。
確かに、東日カーライフグループの現状の問題点である「担当者の業務が煩雑で、買取価格に差が生じることによる顧客の不公平感を解消するため」を課題として設定するのであれば、「オークション取引情報をベースにした市場相場連動型システムの導入」が効果的であろう。
しかし、メーカー系ディーラーとしての強みを生かして競争優位性を維持することも課題設定として加えた場合、自社ブランド車両に関してはオークション相場を基準に、自社系列での小売価格実績を勘案するような一部改変を施すことが、打ち手としては重要であろう。
また、これだけでは自社ブランド車両に関してのみ買取競争力の維持が可能ということになってしまい、逆に他社ブランドについては一般の買取専門店や他社ディーラーに対する競争優位性を保つことは難しくなってしまうことも考えられる。
よって、例えば別ブランドを有する独立系ディーラーとの間で、査定システムの相互乗り入れなどを行うことで、新車メーカー系他社ディーラーのブランド力をレバレッジとして活用し、少なくとも新車ディーラー系から買取専門店や専業店への下取り・買取車両の外部流出を抑制すること等も検討してみてはどうだろうか。
<長谷川 博史>