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AYAの徒然草(5) 『お願い・督促・お断りシーンのAYA流会話術』
仕事で成果を出すことにも自分を輝かせることにもアクティブなワーキングウーマンのオンとオフの切り替え方や日ごろ感じていることなど素直に綴って行きます。また、コンサルティング会社や総合商社での秘書業務やアシスタント業務を経て身に付けたマナー、職場での円滑なコミュニケーション方法等もお話していくコーナーです。
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第5回 『お願い・督促・お断りシーンのAYA流会話術』
オフィスで、あるいは取引先の方との会話の中で、何かをお願いしたり、督促したり、また、断ったりするシーンってよくあると思います。いずれも、言葉を選んで上手に会話をしたいと思う場面ですよね。そんな時、相手に不快感や失望感を与えないようにしながらしっかり結果を出すための、ちょっとしたAYA 流会話術の極意をお話しします。
例えば、「事業計画書を作成いたしましたので内容をご確認ください。」と誰かに何かを「お願いする」時。
一見、「~~してください」は丁寧な言葉のように思えますが、実は命令形の言葉ですよね。同僚ならまだ許されますが、上司や取引先の方にこのようなお願いの仕方をしたら、気分を害されてもおかしくありません。そこで、私はお願いをするシーンでは、「ご確認いただけますか?」と疑問形にしてみるようにしています。「そんな言い方はちょっと弱気な感じでイヤだ」と男性は思うかもしれませんが、相手が気分を害する度合いはかなり低くなるはずです。女性なら、物腰の柔らかさが伝わり、効果はもっと大きいと思います。うちの社長で効果は実証済みですから間違いありません! また、「いついつまでに」と期限付きでお願いする場合は、相手の都合を無視してお願いをするのですから、「お忙しいところ恐縮ですが」と、相手を気遣う言葉を添えるとより効果的です。
では、こんなシーンではどうでしょう。
「昨日お渡しした書類、ご覧いただけましたでしょうか?」と、何かを「督促する」場合です。
特に、目上の人に対して督促をする場合、このような言い方をしている方が多いと思います。決して間違いではないと思いますし、むしろストレートな言い方なので、相手が本当にまだ見ていない場合は、相手に「あっ、早く見なくては」と思わせ、督促の効果は大です。しかし、これでは少々督促の意味合いが強すぎます。「ご覧いただけましたでしょうか?」だけだと、裏を返すと、「見たなら早く何かしらのリアクションをしてくれればいいのに・・・」と、少し相手を非難している感じが含まれてしまうと思います。言った本人にそういう意図がなくてもです。当然言われた人へは、「依頼されたことをまだやってなくて悪かったな。君と違って僕は暇ではないんでね・・・」といった不快な気分にさせて逆効果になってしまうこともあり得ます。
このようなシーンでは、最後に「よろしければ何か良いアドバイスを頂戴できればと思いまして。」と付け加えてみるのが AYA 流です。そうすると、「僕の意見を聞いて彼(彼女)は勉強したいんだ、それじゃあ期待に応えてやらなくては。」という気持ちを生んで、結果的に督促の効果を高めることができるというのが私の経験則です。
では、最も高度な会話術を要する「断る」シーンではどうでしょう。相手との関係を悪化させずに上手く断るためのテクニックは、ビジネスでもプライベートでもとても重要ですよね。
例えば、あまりプライベートではつき合いたくない人(うちの社員のことじゃないですよ!念のため。)からの、「今晩、飲みに行かない?」というお誘いを断りたい場合。
「今日はちょっとキビしいけど、明日ならだいじょうぶです。」と、代案を付けて返答すれば、相手に失望感を与えることなく今日のお誘いを断ることができます。ただ、この断り方だと、明日飲みに行くことになってしまいますので、そういう場合は、ちょっと茶目っ気を出して断ることが有効かもしれません。「飲み会ですか?ごめんなさい!家では毎晩、ワンちゃんがお散歩に連れて行ってもらえるのを待っているんです!」というふうに。男性なら「妻の手料理が食べたいので、最近は早めに帰るようにしているんだ。」とか、「最近、残業続きのせいで妻がさみしがっているから、早めに帰れる日は早く帰ってあげるようにしているんだ。」とアツアツ振りを発揮するのも効果があるかもしれませんね。
会話って、「正しく伝える」ことが一番合理的で効果的だと思いがちですよね。でも、実際には余計な感情や、時には思ってもないようなことまで伝わってしまって却って不合理・逆効果ということもあります。目的は、良い人間関係を維持しながら相手に行動や断念を促すことにあるのですから、そのためには「正しく伝える」ことよりも「スマートに伝える」ことの方が大事なんじゃないかと思うんです。それに、スマートな会話ができる男性って、仕事もスマートにできてしまうから、女性から見てもとっても光って見えるというおまけもあります。
「お願い」・「督促」・「お断り」シーンで、こんなちょっとした AYA 流会話術を試してみてください。(この場合は「試してみていただけますか?」はおかしいですよね。)仕事の成果がグングン出てきて、周囲の人のあなたを見る目も違ってくると思いますよ。
<佐藤 彩子>