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AYAの徒然草(9) 『手紙の力を見直そう!』
仕事で成果を出すことにも自分を輝かせることにもアクティブなワーキングウーマンのオンとオフの切り替え方や日ごろ感じていることなど素直に綴って行きます。また、コンサルティング会社や総合商社での秘書業務やアシスタント業務を経て身に付けたマナー、職場での円滑なコミュニケーション方法等もお話していくコーナーです。
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第9回 『手紙の力を見直そう!』
みなさん、今、上映されている映画「イルマーレ」をご覧になりましたか?キアヌ・リーブスとサンドラ・ブロックが共演するハリウッド映画です。時空を超えて「手紙」のやりとりをする二人が、お互いに惹かれあっていくというストーリーなのですが、恋人たちの連絡手段も E ‐ Mail が主流となっている昨今、私たちが見失いがちな人の温かさや心のゆとりに触れていて、とてもピュアで新鮮な感動を与えてくれる映画です。まさに「手紙」の良さをアピールしているような映画なのです。
これに対してビジネスシーンで一番よく使う連絡手段と言えば、今やなんと言っても E ‐ Mail。次に電話や FAX ですよね。しかし、場合によっては手書きの「手紙」という連絡手段が求められるシーンも少ないながらもあると思うのです。E ‐ Mail が全盛の今だからこそ、「手紙」の使い時を判断することが、ビジネスコミュニケーションの新常識なのではないかと思うのです。みなさんは「手紙」という連絡手段、使いこなしていらっしゃるでしょうか?
そうは言っても、ビジネスシーンで「手紙」を書く機会は、ほとんど無いに等しいですよね。でも、お詫びやお願い、感謝の気持ちなど、改まって言いにくいことを素直に伝えたい場合には、「手紙」を書いてみることを私はオススメします。誰でも手書きの「手紙」をもらうととても嬉しいですよね。しかもE ‐ Mail ・ワープロ全盛時代だからこそ、逆に温かみのある手書きの文字で綴られた手紙が持つ、素直な気持ちを相手に届ける力がアップしているように思うからです。
でも、手紙なんてもう何年も書いていなくて何を書いたらいいのか戸惑ってしまうという方、また、いざ手紙を書こうと便箋に向かった途端、書き出しにつまずいてしまうという方も多いのではないでしょうか。そんな時は感謝の気持ちを伝える「お礼状」から取り組んでみると良いと思います。お世話になった時やいただきものがあった時、サッとお礼状を書くことができれば、その後のコミュニケーションも取りやすくなります。特にお礼状は、日を延ばさずに感謝の気持ちそのままにペンを取れば、それほど内容に困ることもないですよね。「気持ちのままに書けばいい」という意味では、ラブレターも同じです。手書きのラブレターなんてもらったら、好感度アップ間違いありません!
そして、手紙に苦手意識がある人の多くは、手紙の形式にも抵抗があると思います。でも、それほど堅苦しく考える必要はないんじゃないでしょうか。手紙に必要な構成は、前文(時候の挨拶)、主文(内容)、末文(締め)の3つで、これはビジネス文書でも個人宛の手紙でも共通の構成です。これを踏まえてさえいれば、後は気持ちの表し方の問題だと思います。
また、「文字が下手なので、手書きの手紙は却って相手に不快感を与えそうで不安だ」という方も多いと思います。そのような方は、自信の無い手書きの文字で書くよりはワープロソフトで作成し、その後、手書きで「追伸:お元気でいらっしゃいますか?お気遣い頂き恐縮です。近いうちにお目にかかりたく存じます。またご連絡いたします。」と、手紙全体の要約文とも言えそうなメッセージを、文書の最後に書き添えるだけでもいいと思います。
先日、私がよく買い物をするお店から、葉書のダイレクトメールが届きました。いつも季節の変わり目になると、「新しい季節向けの商品が入荷しました」という趣旨の内容が印刷された葉書が届くのですが、今回送られてきた葉書には、印刷された案内文の他に、いつもお店に行くと私を担当してくれる店員さんの手書きのメッセージが添えられていました。「佐藤様に似合いそうな秋冬物のアイテムがたくさん入荷しました。一緒に秋のおしゃれを楽しみましょう。
私は土日は両方ともお店に出ていますので、たまには週末にゆっくり来てください。お待ちしています!」と。この最後に添えてあった手書きの一言メッセージが私に響き、私は思わずお店に足を運んでしまいましたよ。しかも言われた通り週末に。もちろんたくさんお買い物もしてしまいましたし。きっと、あの手書きの一言メッセージの効果で、彼女の売上は何倍もアップしていることでしょう。
こんな風に、手書きの「手紙」には、デジタルでは伝わらない、アナログならではの良さがあります。そんなアナログツールをデジタル全盛時代だからこそ、ビジネスにも活用すべきだと思いませんか?
それから私の周りでは「デジタルとアナログを上手にミックスさせて使うことが大事だ」という話がいつも飛び交っています。「CAD / CAM / CAE はすごいツールだけど、試作や実験のベテランがいて初めてその力が発揮できるんだ」とか、「電動パワステの効果はすごいけれども、人間の感性に合うようにアナログでチューニングしないと、ゴルフ場のカートみたいに味気ないものになってしまう」とか。
アナログとデジタル。どっちかだけでなく、どっちも上手に使いこなすことを私も心掛けていきたいと思います。
<佐藤 彩子>