東日本大震災による国内自動車販売への影響について

2007年 10月から自動車業界に関連するあらゆる傾向をアンケート調査してきた
「住商アビーム 1 クリックアンケート」が 2011年 2月からリニューアル致し
ました。ご回答頂いた皆様の声をもとに、翌月、このテーマに関するレポート
を発表致します。

今月の特集は「東日本大震災による国内自動車販売への影響について」です。

                                                                                                       
東日本大震災による国内新車販売台数への影響について
(2011年5月10日配信分)

質問

日本自動車販売協会連合会及び全国軽自動車協会連合会の統計(速報値)に
よれば、2011年 4月の国内新車販売台数(登録車+軽自動車)は、以下の通り、
昨対比▲47 %の 186 千台となりました。

【2011年4月国内新車販売台数】  

         (登録車)   (軽自動車)   (登録車+軽自動車)
販売台数       109 千台       77 千台      186 千台
昨対比増減     ▲51 %      ▲41 %      ▲47 %

 3月の状況(昨対比▲35 %)と比べても、4月の昨対比減少幅は拡大しており、
今後も、震災による各自動車メーカーの減産や消費マインド低下の影響などが
懸念されています。

 減産の影響は概ね年内まで続くとの報道がある一方で、個別にメーカーを見
ていくと、日産、ダイハツが今月には通常時の 9 割まで回復するなどの報道も
あり、想定より早期に生産を正常化し販売台数の減少を緩和できる可能性もあ
るのではないでしょうか。

 上記のような状況の中、2011年度(2011年 4月~ 2012年 3月)の国内新車販
売台数(登録車+軽自動車)はどのようになると思いますか。以下選択肢の中
で、読者の皆様が最も当てはまると考えられるものを一つお選びください。
 
参考) 日本自動車販売協会連合会が公表している 2010年度の国内新車販売台
    数は 460 万台

1. 450万台以上
2. 400以上450万台未満
3. 350以上400万台未満
4. 350万台未満

アンケート結果


    
国内新車販売市場の回復時期について
(2011年5月17日配信分)

質問

 先週のアンケート「2011年度(2011年 4月~ 2012年 3月)の国内新車販売台
数(登録車+軽自動車)見通し」の結果は、以下の通りとなりました。

・「450万台以上」 : 19%
・「400以上450万台未満」: 28%
・「350以上400万台未満」: 30%
・「350万台未満」 : 23%

 半数以上の方が、「400 万台未満」を選ばれ、中でも「350 万台未満」を選
択された方の割合が、全体の 1/4 程度となり、2010年度の新車販売台数が 460
万台であったことと比べると、震災による影響は相当な規模であると予想され
ています。

 この主要因としては、元々国内市場が頭打ちであったことに加えて、今回の
震災の影響を受けた自動車メーカーの減産による供給不足/納期の見通しが立
たないこと、経済の先行きが不透明であるために消費マインドが低下している
こと等が挙げられています。

 一方で、トヨタが国内生産正常化の時期を年内一杯としていましたが、部品
不足が徐々に解消し、生産正常化が、秋口に前倒しできるのではないかとの報
道もあり、供給不足自体は早くに解消する可能性も出てきました。

 それでは、自動車業界で働かれる皆様の実感として、国内新車販売市場が 2010
年 12月に日本自動車工業会が公表した 2011年度見通し(450 万台)レベルま
で回復するのはいつ頃だと予想されますか。

 以下選択肢の中で、読者の皆様が最も当てはまると考えられるものを一つお
選びください。

1. 2011年度
2. 2012年度
3. 2013年度
4. 2014年度以降
5. 当面 450 万台レベルまでは回復しない
6. その他

アンケート結果


    
    
自動車メーカーの国内自動車販売・流通領域における短期的な取り組みについて
(2011年5月24日配信分)

 質問

 東日本大震災は、国内の自動車販売・流通領域においても、様々な影響をも
たらしています。

 新車販売台数の落ち込みについては前回までの 1 クリックアンケートで触れ
てきた通りですが、それ以外にも例えば、低調な新車販売に端を発した販売会
社の財務環境悪化や、軽自動車や低価格帯の中古車の流通量が不足しているな
どの報道があります。

 そうした中、自動車メーカーは、財務環境の悪化した販売会社向けに車両仕
入代金の決済猶予期間を設けたり、被災地への中古車の集中供給を支援したり
するなど、各種の対策を講じています。

 引き続き、自動車メーカーは、生産領域だけでなく、販売・流通領域におい
ても各種の取り組み・支援を継続していくと考えられますが、短期的に見て、
最も優先度を上げて注力していく必要がある項目は何でしょうか。以下選択肢
の中で、読者の皆様が最も当てはまると考えられるものを一つお選びください。

1.輸出生産分を国内向けに出荷するなど、新車流通量不足への対応
2. 受注済み顧客への車検費用負担、代車貸し出しなど、新車流通の遅れへの対
  応
3.販売会社間で中古車在庫や試乗車を共有・集約化するなど、中古車流通量不
  足への対応
4.体力の低下した販売会社への融資や資金繰りの支援など、販売ネットワーク
  維持への対応
5.その他

アンケート結果

      
      
国内市場における消費者心理の変化について
(2011年5月31日配信分)

 質問

       
 内閣府が 2011年 4月の一般世帯の消費者態度指数(※)を発表しました。

  消費者態度指数  前月差
 2月調査 41.2   ▲0.4 pt
 3月調査 38.6   ▲2.6 pt
 4月調査 33.1   ▲5.5 pt

 ※今後半年間における消費者の意識を表す指標。「暮らし向き」、「収入の
  増え方」、「雇用環境」、「耐久消費財の買い時判断」等について今後半
  年間にどう変化するのか、消費者の意識を調査したもの。50 が指数の善し
  悪しの判断目安となっている。

 この結果を踏まえて、内閣府が消費者マインドについての評価を前月の「弱
い動きがみられる」から「悪化している」へ下方修正する等、個人の消費は今
後、低迷することが予想されています。

 全体的な消費者マインドの傾向としては上述の通りであり、耐久消費財であ
るクルマの購入についても暫く様子を見られる方がおられるかもしれません。

 一方で、東北地方太平洋沖地震発生直後に各種公共交通機関が麻痺したこと
や、東京電力管内で電力不足による大型停電を懸念し、各種公共交通機関に混
乱が生じるといった事態もあり、個々人がクルマという自分の意志で動ける移
動手段を持つ必要性について改めて見つめ直す機会にもなったのではないでし
ょうか。

 今週は、東日本大震災が消費者の購入心理にもたらした影響がどのようなも
のなのか、みなさまのご意見を伺いたいと思います。

 それでは、東日本大震災を経て、クルマの購入意志決定においてより一層重
要になったと考えられる要素について、以下選択肢の中で、読者の皆様が最も
当てはまると考えられるものを一つお選びください。

1.低燃費化:
  一時的にガソリンの供給不足が生じたことや、ガソリン価格が高騰している
  ことを踏まえて、低燃費であることがより一層重要となった、等

2. 情報化:
  インターネット情報アクセス等、災害情報をいち早く且つ正確に把握するた
  めの機能が必要である、等

3. 多用途化:
  非常時のバックアップとして、一時的に電力供給ができるようなバッテリー
  が内蔵されていることや、電気を外部に取り出すための機能が講じられてい
   ることが重要である、等。
  
 4.安全性:
  災害発生時を想定した安全機能が装備されていることや、落下物や衝突時の
  対策が適切に講じられていることが重要である、等。

5.低価格化:
  必要最低限の機能に絞り込んだ廉価版が望まれる、等。

6.居住性:
  避難時の居住スペースや、大人数での移動への備え、等。

7.その他

アンケート結果